シックハウス症候群という言葉を耳にしますが、どういうことでしょう?

微量な有害化学物質を摂取し続けることにより、多臓器・多種類にわたる症状・疾患 (化学物質過敏症)等を総称してそう呼びます。具体的な原因としては、内装工事に おけるトルエン、キシレン、ホルムアルデヒド等が挙げられます。また、床下換気の不完全によるカビやダニの発生も原因となります。

症状・疾患としては、自律神経障 害・免疫障害・気道障害・内耳障害・運動器障害・循環器障害・眼科的障害・消化器 障害・精神障害等が多く見られます。

予防方法としては、第一に原因物質を取り除くことです。
さまざまな原因が考えら れますので、原因物質の特定と間違いのない医療的な診断・治療が必要であり、摂取 した化学物質を体内から排出する必要もあります。また、発症は体力の衰えとの因果 関係も考えられており、いつでも体調を整えておくことが大事です。引っ越しや換気 によって改善が見られ例もあります。

シックハウス症候群については、いまだ研究の段階であり、データ不足は否めません。
有害化学物質を含まない素材を使用することが最も効果が期待できる方法と思われます。新築やリフォームの際には、業者によく相談することです。

『月刊ぷらざ2001年7月号掲載』回答:下田進(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: シックハウス | | コメント (0)

アレルギー体質です。リフォームの際のシックハウス対策についてどんな点に注意し たらよいか教えてください。

シックハウスが健康に害があると問題視されだしたのは10年ほど前。国でもその対策を始め、ようやく98年ガイドラインも出来ました。建材メーカーも各々対応に努力してきていますが、各社まちまちでまだ十分とはいえません。

シックハウスは有害な化学物質を含んだ新建材・新素材の多量使用と高気密で換気の悪い室内環境が原因。 また、ダニやカビもアレルギーに直接的な影響があります。間接的にはダニ、カビ対 策として化学物質を使用することにも影響があります。その対策は、一口に言えば 「自然素材を多く使い、換気のよい家」を造り、「日常生活でも湿気対策を十分に行 う」こと。

もともと伝統的手法で自然素材を多く使い、通風のよかった古い住宅には、シックハウスなど無かったはずです。シックハウス対策には、自然素材100%の家 が理想ですがそうもいきません。たとえ新建材・新素材を使う場合でも、問題となる 化学物質を含んでいないと表示されたものを使うことをおすすめします。使用する場合も少量で、使用する部分も人体に影響されにくい構造材・外壁材から下地材、内装・ 家具・建具材と使用する場所に優先順位を設けておくとよいでしょう。内装材は特に 注意。問題とされる化学物質は、ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・有機リン 系防虫剤・可塑剤・防カビ防腐材等。リフォームも新築と同様、信頼のおける業者や建築家に相談しましょう。

『月刊ぷらざ2002年12月号掲載』回答: 石川純男(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: シックハウス | | コメント (0)